SAMPLE COMPANY

VMC・IMC


「VMC」は「Visual Meteorological Condition」の略で、日本語では「有視界気象状態」と言います。
「IMC」は「Instrument Meteorological Condition」の略で、日本語では「計器気象状態」と言います。

「計器気象状態」とは「視程と雲の影響による『視界上不良な気象状態』」のことを言います。
具体的には「航空法施行規則第5条」によって「有視界気象状態以外の気象状態」と定められており、有視界気象状態の詳細が下記のように記されています。


VMCの条件

1 3,000m(10,000ft)以上を飛行する航空機


・ 飛行視程が8,000m以上であること。
・ 航空機からの垂直距離が上方及び下方にそれぞれ300mである範囲内に雲がないこと。
・ 航空機からの水平距離が1,500mである範囲内に雲がないこと。


2 3,000m(10,000ft)未満の「管制区・管制圏・情報圏」を飛行する航空機


・ 飛行視程が5,000m以上であること。
・ 航空機からの垂直距離が上方に150m、下方に300mである範囲内に雲がないこと。
・ 航空機からの水平距離が600mである範囲内に雲がないこと。


3 3,000m(10,000ft)未満の「管制区・管制圏・情報圏 以外」を飛行する航空機


・ 飛行視程が1,500m以上であること。
・ 航空機からの垂直距離が上方に150m、下方に300mである範囲内に雲がないこと。
・ 航空機からの水平距離が600mである範囲内に雲がないこと。


4 「管制区・管制圏・情報圏 以外」の空域を 地表又は水面から300m以下の高度で飛行する航空機


・ 飛行視程が1,500m以上であること。
・ 航空機が雲から離れて飛行でき、かつ、操縦者が地表又は水面を引き続き視認することができること。


5 「管制圏・情報圏内にある空港等」並びに「国土交通大臣が告示で指定した空港等」において、離陸又は着陸しようとする航空機


・ 「地上」視程が5,000m以上であること。
・ 雲高が地表又は水面から300m以上であること。

「国土交通大臣が告示で指定した空港等」は2021年4月現在「天草、但馬、調布」の3空港です。
なお、「5」には但し書きがついていて、国交大臣が告示で指定した空港では「地上視程 8,000m、雲高 450m」以上とされるが、2021年3月現在 該当する告示は作られていない。


VFR・IFR

「VFR」は「Visual Flight rules」の略で、日本語では「有視界飛行方式」と言います。
「IFR」は「Instrument Flight rules」の略で、日本語では「計器飛行方式」と言います。

例によって、こちらでは「有視界飛行方式」が「計器飛行方式以外の飛行の方式」と定められており、計器飛行方式については航空法で下記のように定められています。

「計器飛行方式」とは、「管制区・管制圏」で「管制官」の指示に常時従って、または「情報圏」で「運航情報官」が提供する情報を常時聴取して行う飛行のこと。


推奨はされませんが、VFRではいわゆる「ノーコン」つまり管制官と無線交信をせずに飛行している時間があっても問題ありません。経路も岬や線路を辿ったりなどパイロットが自由に決めることができます。
IFRではそんな no contact の状態なんてありません。常に定められた航空路や、管制官の指示や情報提供に従って飛行します。

個人的にはVFRの方が楽しい気はしますが、VFRは気象の制限を大きく受けて飛行できないことも多々あります。
IFRにすることで、VFRの気象制限を外して飛行できるため、旅客機などの飛行では楽しいとか楽しくないとかではなく、運航率や安全のためにその殆どがIFRで飛行しています。
一方で、セスナなどの小型機事業では、航空機の性能を考慮した上でIFRもできないことは無いですが、比較的自由に飛行できるVFRで飛行することの方が多くなります。

VMCではVFRでもIFRでも飛行できますが、IMCでは例外を除いてIFRでしか飛行できません。
ではその例外について説明します。


特別有視界飛行方式

「スペシャルVFR」「SVFR」「スぺV」などと言われます。
・ 管制圏・情報圏が指定された空港で
・ 地上視程が1,500m以上あり、
・ 雲から離れて飛行でき、
・ 地表面(海面)を視認し続けられていれば、
・ パイロットが要求することで(Req SVFR L/D 等々)、
・ IFR機の航行に支障のない範囲で、
・ スペシャルVFFRの許可(Maintain SVFR condition while in Control Zone 等々)を得ることができます。

SVFRでできること
・ T/O
・ L/D
・ Cross





<< 前のページに戻る