低層ウィンドシア

シア

「シア」とは「ずれ」のことです。
もう少し具体的に言うと、「風向や風速の急激な変化」のことをさします。
そして「500m以下のシア」を「低層ウインドシア」と言うことが多いです。

もう少し難しく言うと、気象学的には「風向に直交する方向の風ベクトル変化」とされることが多いですが、
ICAOの「低層ウィンドシアーマニュアル」では「上昇流及び下降流を含む風速・風向の空間的な変化」と説明されており、
航空では、直交とは限らず収束・発散を含む風の空間的な変化全般を指す言葉として用いられます.
特に、「低層ウインドシア」と言われると「最終進入コースまたは離陸もしくは初期上昇経路沿いのウインドシア」のことを指すことが多いようです。


ウインドシアの分類



航空機への影響

低層のウィンドシアーを発生させる原因は
 雷雨、竜巻などの気象現象
 山岳や建物、樹木などの地形地物
 接地層内の風速変化などです。

ウィンドシアーのある空間では風速・風向が急激に変化するため、航空機の対気速度が急激に変化し、不意に揚力が減少することがあります.
特に、対流雲の下で「マイクロバースト」と言われる強い下降流が吹いた際は、地面にぶつかって風が発散するためその中を飛行すると急激に風向が変わる上に下降流の影響も受け、墜落する可能性が高くなります。


METARにおける低層ウインドシア

・ WS R16L
  観測前30分内に滑走路免状1600ft以下の進入路または離陸路にウインドシアが観測され、かつ局地状況がこれを裏付けるときに、このように報じられる。

・ WS R16L WS R16C WS R16R WS
  複数の滑走路で影響するウインドシア観測された場合は、このように関係する滑走路について、最大5つまで報じられる。 

・ WS ALL RWY
  飛行場の全滑走路に影響するウインドシアが観測された場合は、このように報じられる。






<< 前のページに戻る