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気象衛星

気象衛星は、赤道上空約 35,800 kmの静止軌道上で地球の自転と同じ周期で地球の周りを周回し、宇宙からの気象観測を行っています。
また、離島等で観測された情報を気象庁本庁へ中継する役割も担っています。

2021年1月現在は、「ひまわり8号・9号」が運用されており、その静止位置は「東経140.7度」です。

2022年3月までは「本運用:ひまわり8号、待機運用:ひまわり9号」、
2022年4月からは「本運用:ひまわり9号、待機運用:ひまわり8号」として2028年度まで運用される予定となっております。


気象衛星の使用バンド

ひまわり8・9号 可視赤外放射計(AHI:Advanced Himawari Imager)観測バンド16種類
バンド 波長
 [μm] 
種類・名称 概要・特徴等
1 0.47 可視画像 青色帯
2 0.51 緑色帯
3 0.64 赤色帯
4 0.86 近赤外画像 植生分布、海岸侵食、水害被害の監視等
5 1.6 雲頂高度判別、中下層雲は白く映るが、氷晶が含まれる雲(一般的に背が高い雲)は暗い
6 2.3 雲頂粒子の状態、粒径が小さいほど白く、また水より氷が白い
7 3.9



  
大気の窓 地球放射と太陽反射の合算
8 6.2 水蒸気画像 概ね300~400hPa位の水蒸気
9 6.9 概ね400~500hPa位の水蒸気
10 7.3 概ね500~600hPa位の水蒸気、そしてSO2を含む火山ガスのあるところが黒くなる
11 8.6 大気の窓
(dirty)
水蒸気の影響を(若干影響あるものの比較的)受けにくく、SO2を含む火山ガスのあるところが黒くなる
12 9.6  オゾンバンド  オゾン(O3)による吸収を受ける
13 10.4 大気の窓 赤外画像の中でも特に水蒸気の影響を受けない窓領域で、雲解析における基本の画像
14 11.2 バンド13と近しいが、バンド13と比較すると若干氷晶の影響を受ける
15 12.4 バンド13に比べて、水蒸気・火山灰・黄砂のケイ素の影響を受ける
16 13.3 CO2バンド CO2による影響を受ける


天候の確認としては、主として
 バンド3の「可視画像」
 バンド13の「赤外画像」
 バンド8の「水蒸気画像」
その他、
 バンド1,2,3を合成した「カラー合成画像」
 バンド1,2,3,4,13 を利用した「トゥルーカラー再現画像(JMA, NOAA/NESDIS, CSU/CIRA)」
などが使用されることが多いです。


MTSAT

MTSAT(Multi-functional Transport Satellite)とは「運輸多目的衛星」のことで、既に運用の終了した衛星です。
MTSAT1号機が「ひまわり6号」、
MTSAT2号機が「ひまわり7号」と呼ばれました。

このMTSATは「運輸多目的衛星」の名前の通り、
 1 気象ミッション
 2 航空ミッション
の複数の目的を持って運用されました。

航空ミッションについては神戸と常陸太田に設置された「航空衛星センター」により遂行され、GPS精度の補強などが行われました。

現在では、準天頂衛星「みちびき」のSBAS機能にその任務は受け継がれ、2025年度からは準天頂衛星7機体制による更なる⾼精度化が予定されています。


「ひまわり」とは

気象衛星の「ひまわり」の他に、
通信衛星は「あやめ」「さくら」、
放送衛星は「ゆり」、
電離層観測衛星は「うめ」、
測地実験衛星は「あじさい」などの愛称で呼ばれます。

1975年9月9日、JAXAの前身である「宇宙開発事業団:NASDA」によって、NASDA 初の人工衛星「きく」が打ち上げられました。
打ち上げ日の9月9日にちなんで、菊の花を用いて無病息災や長寿を願う節句「重陽の節句」を元に「きく」と名付けられたと言われています。
現在では公募などにより様々な名称が使用されますが、この頃は「きく」にちなんで「宇宙に花開け」という願いを込め、衛星は「花の名前」で名付けられることが多かったそうです。

1977年に初めての静止気象衛星「ひまわり初号機」が打ち上げられる際には、
天気に関係する衛星であることから「太陽」をイメージさせる花の名前として「ひまわり」の名前が選ばれたと言われています。





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