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前線

 前線とは、温度の異なる気団の境界線が地表面(海面)と接する部分のことを言います。
 前線付近は一般に、雲が広がり、降水をおこし、突風が吹き荒れる等の悪天を伴います。
 VFR飛行では危険な状況に陥る可能性が高くなるので、前線を越えるVFR飛行経路の設定は行うべきではありません。


1 寒冷前線


「優勢な冷たい気団」と「暖かい気団」の境界
寒冷前線の通過前は比較的暖かく、前線の接近によっ概ね約70㎞程度手前から降水を伴い、通過後は温度が低下して気圧は高くなり、急激に天候が回復します。
温暖前線に比べて移動速度が速く、概ね40km/h程度で東進する。
現在天気が晴れていても、前線が接近してくる際には西の空に注意し、積雲系の雲が見られたり乱気流の兆候を感じたら速やかに帰投すべき。


2 温暖前線


「優勢な暖かい気団」と「冷たい気団」の境界
温暖前線が接近する際は、1000㎞近くも手前から巻雲が現れ始め、概ね300㎞程度手前からは雨が降り始める。
寒冷前線に比べて移動速度は遅いが、広い範囲が悪天となり、特に視程の悪化も伴うため、天候の徐々な悪化に注意して、VFRを維持できるうちに帰投すべき。


3 停滞前線


英語では「occuluded front」という。
勢力の拮抗する「暖かい気団」と「冷たい気団」の境界。
一般に温暖前線と形は似ているものが多く、前線の寒気側300㎞は雨、さらに北200㎞は曇り、その北は晴れの分布になることが多い。
気団どうしが拮抗しているため、前線が移動しにくく、広い範囲で長い期間にかけて悪天が続く。
停滞前線がある際のつかの間の晴れ間で飛行する際は、入念な天候の把握に努め、すぐにまた来る天候悪化のタイミングを理解したうえでなければ、離陸すべきでない。


4 閉塞前線


「そこそこ冷たい気団」と「めっちゃ冷たい気団」の境界
前線を伴う低気圧において、「移動速度の遅い温暖前線」に「移動速度の速い寒冷前線」が追いついてしまったもの。
寒気が暖気を完全に押し上げているので、地表は寒気でおおわれる。
降水等が小康状態になったとして飛行しても、低気圧中心を外れたところに、まだ活発な温暖前線面と寒冷前線面があることに注意しなければならない。
「そこそこ冷たい気団」に「めっちゃ冷たい気団」が追いつく「寒冷型閉塞前線」と、
「めっちゃ冷たい気団」に「そこそこ冷たい気団」が追いつく「温暖型閉塞前線」の2種類に分けられる。



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