雲高

METARの雲は、
 1 雲量
 2 雲高
 3 雲形
の情報が示されます。

雲量は下記の表で示されます。

FEWfew雲量 1/8~2/8
SCTscattered雲量 3/8~4/8
BKNbroken雲量 5/8~7/8
OVCovercast雲量 8/8

METARの雲

・ SCT030
  この例だと「雲量 3/8~4/8の雲が、3000ftにあること」を示します。
  「scattered three thausand feet」と読みます。

・ OVC///
  雲高がわからない際にはこのように示されます。
  この例だと「Overcast height unknown」と読みます。

・ BKNXXX
  雲高がわからないが、少なくとも5000ft以上の高さはある際には、特にこのように示されます。
  この例だと「Broken height unknown」と読みます。

・ VV003
  強い降水や霧などによって雲の観測ができないとき、このように示されます。
  雲は観測できていないので後ろの数字は雲高ではなく、鉛直視程を示します。
  この例だと「Virtical visivility three hundred feet」と読みます。

・ VV///
  鉛直視程の資料が得られないときにはこのように示されます。
  「Virtical visivility bellow 100ft」と読みます。

・ SCT006ST DIF BKN030CU
  RMK欄において、雲底の変動を示してこのように報ずることがあります。
   DIF :diffuse:ぼんやりしている
   RAG :ragged:ほつれている
   FLUC :fluctuating:急速に変動している
  などの種類があります。

・ NSC
 1 5000ftまたは最低扇形別高度の最大値のいずれか高い方の数値未満に雲が無い
 2 積乱雲・塔状積雲がない
 3 鉛直視程も良好
 4 CAVOKではない
  の条件を全て満たすときに、報じられます。
  「Nil significant cloud」と読みます。

・ NCD
  自動観測が行われているときに、雲が検知されなかったときに示されます。
  「No cloud detected」と読みます。


エマグラム

エマグラムとは「Energy unit mass diagram(単位質量あたりのエネルギー)」の略で、「縦軸が「気圧」、横軸が「温度」のグラフ」のことを言います。

ちなみに、
 縦軸を「高度」、横軸を「気温」でとったグラフを「エアログラム」と言い、
 縦軸を「気圧(log P)」、横軸を「45°傾斜気温軸」でとったグラフを「SKEW-T ダイヤグラム」と言います。
 エマグラムやSKEW-Tはエアログラムの一種です。


これらのグラフを使うことで、大気の構造を把握することができます。

エマグラムには、
 ① 乾燥断熱線(=等温位線)
 ② 湿潤断熱線
 ③ 等飽和混合比緯
の3つの補助線を用います。

3つの補助線は、代表的な角度が決まっており、
 同じ高度だけ上昇するときには
  乾燥した空気(①)が一番温度が下がり、
  湿潤な空気(②)はそこそこ温度が下がり、
  等号飽和混合線(③)はあまり温度が下がりません。



これを利用して、「気温」と「露点」を観測することで大気の構造がわかります。



地上から自由対流高度までの「対流抑制(CIN)」では、文字通り「対流を抑制するエネルギー」を把握できます。
CINの面積が大きいほど空気塊下降させようとするエネルギー、つまり対流を抑制するエネルギーが大きいということになります。

自由対流高度から中立高度までの「対流有効位置エネルギー(CAPE)」では、空気塊の上昇する力を把握できます。
CAPEの面積が大きいほど空気塊下降させようとするエネルギー、つまり対流を引き起こそうとするエネルギーが大きいということになります。

そして、CAPEの面積がCINの面積より大きい状態を「潜在不安定」といいます。


雲の持つエネルギーが小さくて上昇気流が弱いと、空気塊はLFC到達前に上昇が止まってしまうため、雲の発達はそこで終わります。
一方で、
雲の持つエネルギーが大きくて上昇気流が活発だと、空気塊はLFCを越えて持ち上げられ、浮力の無くなる中立高度まで雲はさらに発達します。
カナトコ雲の上面部分が、この中立高度です。





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