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AXFE578


 AXFE578とは
「A:Analysis(実況解析)」
「X:Miscellaneous(その他の)」
「FE:Far East(極東)」
「578:500hPa/700hPa/850hPa」
の意味で、日本語では「極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図」といいます。

図としては、
上側の図が、500hPaの渦度 $\xi$、
下側の図が、700hPaの鉛直流 $w$、850hPaの気温と風を表し、
タービュランスのありそうなエリアを予想するのに使います。

この図は「数値予報天気図」の一種で、
気象庁のスパコンの計算結果から自動作成されたものであり、発表される天気予報や台風予報等と異なる内容が含まれることがある点は注意が必要です。
そして、特にこの AXFE578 は、これから先の天気をスパコンで予想する際の「初期値」のデータに使われるものとなります。


AXFE578は毎日「9時」「21時」時点の観測結果をそれぞれの 3時間30分後 に発表しています。
つまり、朝一で見れば 昨晩21時時点の天気図を確認することができます。
朝から飛行する際は、基本、前日の「21時」の天気図を見ることになります。

気象庁ホームページで、PDFファイルで   9時時点  、  21時時点   のものを入手できます。


渦度・鉛直流の方向

渦度 $\xi$ は
 「+」が反時計回り(低気圧性)
 「-」が時計回り(高気圧性)
の渦流を示します。
数学の三角関数とかと同じ考え方なので、方向は覚えやすいのではないでしょうか。

鉛直流 $w$ は
 「+」が下降流
 「-」が上昇流
の風の方向を示します。
「じゃあ700hPa上昇流じゃなくて700hPa下降流じゃん」って私は思うんですが、どうなんでしょうか....。


AXFE578の色の塗り方

AXFE578は気象庁で「白黒」でしか入手できません。見やすく色塗りして解析しましょう。

500hPa渦度の図(上側の図)
1 渦度 $\xi$ が「-40以下の部分」を「青」く塗る
2 渦度 $\xi$ が「+40以下の部分」を「赤」く塗る

850hPa気温・風、700hPa鉛直流の図(下側の図)
1 鉛直流 $w$ が「-20以下の部分」を「赤」く塗る
2 鉛直流 $w$ が「+20以上の部分」を「青」く塗る


500hPa渦度の図(上側の図)のポイント

1 渦度 $\xi$ が「+40以上」の部分
  渦度 $\xi$ が「+」の部分は、初めから網掛けしてくれてます。
  その中で、+40以上の部分は、強い低気圧性の性質を持つ領域になります。
  渦度だけでは悪天とは言いきれませんが、これに上昇流や湿った空気の流入等が加わると、雲のできやすい場所になりやすいです。

2 渦度 $\xi$ が「-40」以下の部分
  渦度 $\xi$ が「-40」以下の部分は強い高気圧性の性質をもつ領域になります。
  渦度だけでは言いきれませんが、比較的天候がよく雲の少ない領域になりやすいです。

3 強風軸・前線位置の確認
  上側に正の渦度、下側に負の渦度となる境界が、強風軸となる。
  強風軸の若干南側に地上の前線があることが多い。

4 500hPa等高線
  500hPa高層天気図だけでなく、この図でも500hPa等高線を確認できます。
  トラフやリッジの位置を見ることもできます。


850hPa気温・風、700hPa鉛直流の図(下側の図)のポイント

1 鉛直流 $w$ が「-20以下」の部分
  鉛直流 $w$ が「-」の部分は、初めから網掛けしてくれてます。
  その中で、-20以下の部分は、強い上昇流がある領域になります。
  上昇流だけでは悪天とは言いきれませんが、これに低気圧性の渦度や湿った空気の流入等が加わると、雲のできやすい場所になりやすいです。

2 鉛直流 $w$ が「+20以上」の部分
  鉛直流 $w$ が「+20」以上の部分は、強い下降流がある領域になります。
  下降流だけでは言いきれませんが、比較的天候がよく雲の少ない領域になりやすいです。

3 前線位置の確認
  前線は、一般的に異なる温度の気団がぶつかりあってできています。
  つまり、「等温線が非常に混み合っているところ」が前線の位置になることが多いです。

4 温度線と風の矢羽根の角度
  等温線を横切る風が吹いている:温度移流(暖気移流、寒気移流)がある。
   → 天気が変わりやすい。
  等温線と平行に風が吹いている:温度移流(暖気移流、寒気移流)がない。
   → 天気はそんなに変わらない。

5  降雪の推定
  冬の場合、850hPaの気温を見て、-6℃以下だと降雪の目安。



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