ASAS 実況天気図
ASASとは
「A:Analysis(実況解析)」
「S:Surface(地上)」
「AS:Asia(アジア地域)」
の意味で、日本語では「アジア太平洋 実況天気図」といいます。
この天気図は、当然ながら航空だけではなく、世界各国の気象業務機関や船舶等においても広く利用されることを目的としているため、高気圧や低気圧の記号や速度、台風のコメント等はすべて英語で、時刻も世界共通の標準時(UTC、Z TIME)を用いています。
天気図の左上と右下に観測データの観測時刻が表示してあり、例えば「030000UTC OCT. 2020」は、日本時間で2020年10月03日09時00分を示しています。
ASASは毎日「3時」「9時」「15時」「21時」時点の観測結果をそれぞれの 2時間30分後 に発表しています。
つまり、朝一で見れば 朝5時半には朝3時時点の天気図を確認することができます。
朝から飛行する際は、基本、前日の「21時」や当日の「3時」の天気図をくまなく見ることになります。
気象庁ホームページで、最新実況天気図をPDFやPNG,SVGファイルなどにより こちら で入手することができます。
ASASの色の塗り方
ASASは気象庁で「カラー」で入手できるので、色塗りする必要はありませんが、見やすくするならあえて「白黒」で入手し、色塗りしても良いでしょう。1 「日本列島」を「黒」で縁取りして見やすくする。
2 「高気圧 H 」の中心を「青」く塗る
3 「低気圧 L 」の中心を「赤」く塗る
4 「FOG」のエリアを「黄色」で塗る
5 「寒冷前線」を「青」で塗る
6 「温暖前線」を「赤」で塗る
7 「停滞戦線」を「赤」と「青」で交互に塗る。
8 「閉塞全線」を「紫」で塗る。
9 「GW/SW/TW」のエリアを「橙」で塗る
まぁ繰り返しになりますが、ASASは「カラー」で入手できるので、色塗りする必要はありません
ASASのポイント
1 気圧配置がどうなっているか一般的に、高気圧の「前面では晴天」「後面では曇天」、低気圧の「周辺は降水、曇天」
2 気圧の広がりはどれくらいか
広く高気圧に覆われているなら「好天」、低気圧域が広いなら「曇天」
3 気圧の中心示度はどれくらいか
基本は1013hPa。
周りと相対的に高い数値「優勢な高気圧」
周りと相対的に低い数値「強い低気圧」
4 等圧線の「ふくらみ」「へこみ」方はどうか
北へ膨らんでいる:「暖気移流があり、低気圧が発生する可能性あり」
南東へ膨らんでいる:「高気圧の張り出しがあり、好天の予想」
南へ膨らんでいる:「気圧の谷があり、曇天」
5 前線はあるか
低気圧上に三角形になっている:低気圧の活動が盛ん。荒天は長く続かない。
東西に長く伸びている:悪天が長く続く
海しる(海洋状況表示システム)
海上保安庁海洋情報部 海しる(海洋状況表示システム)
「海しる」は海上保安庁の海洋情報部が作成・運用している海洋情報の提供ホームページです。
船舶運航者向けに運用されているこのサイトですが、非常に!便利で!使いやすいことこの上ない!です!!
地図上に地上天気図を重ねてみることができます。
時間の流れでどのように大気が流れているかよくわかります。
私はもう地上天気図を見るときはこのサイトをメインに見ています。
地上天気図の図法
海しるの何がすごいって、地上天気図を変換して重ね表示していることです。気象庁の各種天気図は「ポーラーステレオ図法」で描画されています。
地図投影法:平射図法 (stereographic projection)
中央子午線:東経140度
原点の緯度:北緯90度
原点の緯度を極に据えた平射図法を特に極心平射図法(ポーラーステレオ図法)といいます。
何がすごいって海しるはこの地上天気図を
1 気象庁のHPからダウンロードし、
2 背景を透過し、
3 図法を変換し、
4 地理院タイルの地図データに正確に合うように重ね表示し、
5 そのデータを公開し、
6 そしてそのすべてを自動で行っていることです。
ぜひともやり方を教示してほしいものです。
余談ですが気象庁の天気予報や天気分布予報はメルカトル図法、黄砂情報は正方形図法、パイロットの良く使用するJAPA区分航空図はランバート正角円錐図法で描かれています。