教育方法の種類
「スカイダイバー」になるための訓練方法には以下の3つの種類があります。
1 伝統的(古典的)なスタティックライン方式
2 近代的なタンデム方式
3 現在広く実施されているAFF方式
現在ではほとんどのクラブでAFF方式のトレーニングが行われており、
スタティックライン方式やタンデム方式のトレーニングを行っているところはごく少数となっています。
ここでは、これらのトレーニング方法の違いを紹介します。
1 S.L Line方式
「スタティックライン方」は、スタティックラインの一方の端を航空機をつなぎ、
もう一方の端がパラシュートの開口システムに接続することにより、
ジャンプすると自動的にすぐパラシュートが開かれる方法です。
スチューデントは念入りな地上トレーニングを重ねた後に インストラクターと航空機へ乗り組み、
はじめから一人でジャンプします。
スチューデントの飛び出し動作やアーチ姿勢、リップコードを引く動作が確実にできるようになるまで何度もジャンプを行い、インストラクターが機上から確認します。
スタティックラインを外す許可が下りた後も、初めは3秒の自由降下時間から開始し、5秒、10秒と徐々に自由降下時間を伸ばして基本を習得します。
開傘後は、スチューデントが自分で操縦してDZまで帰ってこなければなりませんが、 一般にコーチ等が地上からアマチュア無線を使用してスチューデントを誘導することが多いです。
古典的な方法ですが、トレーニング方法としては単純で費用もかかりにくく、同時に複数人の教育が可能です。
古いクラブや、小さなクラブなどの一部でまだ行われている他、
軍隊の空挺部隊ではこの方式が広く使われています。
2 タンデム方式
「タンデム方式」は、2人用に作られたパラシュートを身に着け、
インストラクターの前にしっかりと取り付けられてジャンプをし、
実践で教育を受ける方法です。
地上講習の量はスタティックライン方式よりも比較的少なく済みますが、必ずインストラクターとスチューデントが1対1でジャンプしなければなりません。
この方式は現在では古いクラブや小さなクラブなど、今ではごく少数でしか行われていません。
3 AFF方式
AFFとはAccelerated Free Fallの略からくる造語です。団体によっては「Progressive FreeFall」や「NOVA」などと呼ばれていることもあります。
「AFF方式」は効率的にトレーニングを行うことで、 その他の方式よりも少ないジャンプ回数で独り立ちできるように設計されています。
レベル I ~レベル VII の7段階に分けられ、
レベル I,II,III は2人のインストラクターと一緒に飛び、
インストラクターがスチューデントのハーネスをしっかりとつかんで姿勢の保持や教育を行います。
レベル IV,V,VI,VII は1人のインストラクターと1on1で降下し、降下姿勢やリップコードを引く動作はもとより、 旋回や横転、ループ(後転、前転)、トラック(水平移動)なども学び、RWの基礎もここで習得します。
最低7回の降下で独り立ちでき、学習時間が非常に短縮できます。
現在はほとんどの団体でこの方式が広く実施されており、スカイダイビングの基礎となっています。