スペースダイビング
プロジェクト・エクセルシオ
プロジェクト・エクセルシオとは、アメリカ空軍によって1959~1960年に行われた成層圏からのパラシュート降下実験です。
宇宙船の故障時の緊急脱出による人体への影響を検証する実験として実施され、米空軍のジョゼフ・キッティンジャー氏が降下を行いました。
この結果により、
1 最高気球高度・最高降下開始高度102,800ft
2 最長ドローグシュート降下時間4.5分間
3 最大大気中速度988 km/h
の世界記録が樹立されました。
姿勢制御のために度ローグシュートを使用したため、「自由降下」の記録は付きませんでしたが、非常に貴重な実験でした。
当時は「宇宙へ初めて到達した人類」として大きな賞賛を集めたそうですが、翌年の1961年にソ連のガガーリンが地球周回軌道に入る有人宇宙飛行に成功したことから、世間に大きく知られていないことが悲しいです。
なお、「Excelsior」 はラテン語で「優れた」とか「いと高きところ」を意味する単語です。
エフゲニー・ニコラエヴィチ・アンドレーエフ氏
ソ連空軍の軍人で、1962年11月1日に80,380ftからの自由降下を行い、自由降下の最高高度記録を保持していました。
スカイダイバーとして4500回以上のジャンプを行い、8回の成層圏からのジャンプも行ったとされています。
レッドブル・ストラトス
レッドブルストラトスは、オーストリア人のフェリックス・バウムガートナーによって2012年10月14日に行われた高高度スカイダイビングのプロジェクトです。
プロジェクト・エクセルシオのジョゼフ・キッティンジャー氏が顧問となって実施され、このプロジェクトによって
1 最高気球高度・最高降下開始高度127,851ft
2 最大速度時速1,357.6 km/h(マッハ1.25)
3 最長自由落下距離119,431ft
の世界記録が更新されました。
何かしらの機体に乗らずに音速へ達した人はそれまでいなかったため、このプロジェクトの結果が、宇宙船等からの緊急脱出の開発に寄与すると言われています。
当時は動画配信もされ、私もドキドキしながら降下を見守りました。
アラン・ユースタス氏
アラン・ユースタス氏はGoogle社の上級副社長です。
2014年10月24日に行われた「ストラトスフェリック・エクスプローラー」のプロジェクトにおいて、
Paragon Space Development Corporationの協力のもと
1 最高気球高度・最高降下開始高度135,890ft
の世界記録が更新されました。
レッドブル・ストラトスが大々的に宣伝された一方、こちらは事後になって急に公表され、驚きを生みました。
ぜひともこの後に名を連ねてみたいものです。