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カットアウェイ

故障排除の3原則

 パラシュートの故障排除は、単純に分けると3つに分けられます。

1 「 Hit :叩く」

2 「 Shake :振る」

3 「 CutAway :カットする」


初心者の故障排除の2原則

安定した姿勢をとることもできない初心者がそれぞれの対処を行うことは難しいです。 なので、初降下時など、はじめはこの2つだけ覚えてください。 1 リップコードを引いていないときのエマージェンシー
  リザーブリップコードハンドルを引く

2 リップコードを引いた後のエマージェンシー
  カットアウェイして、リザーブリップコードハンドルを引く


カットアウェイ

カットアウェイとは、メインパラシュートを切り離してリザーブで降下することを言います。
故障したメインパラシュートよりリザーブで降下する方が安全な時には、このほかに手段がありませんが、カットアウェイした後にはもう後の保険はありません。
可能な限り、不必要なカットアウェイしなくてもいいように、普段の整備を行うようにしてください。

そして何より、カットアウェイをしなければならないと判断するのは「あなた自身」です。
インストラクターが「カットしろ」なんて言うことは、ほぼほぼ不可能に近いです。
自分で判断して、自分で行動しなければ、助かるものも助かりません。


カットアウェイをしなければならない状態とは

ほかのページで具体的な事態は紹介していますが、原則としては、下記の状態のときにカットアウェイをします。
1 加速度的な異常回転が止まらないとき
2 キャノピーが少し、あるいは全く出ていないとき
3 キャノピーの変形、あるいはラインの切断が見られ、かつ操縦不能のとき
4 旋回、ブレーキ等の基本的な操縦が全くできないとき


カットアウェイのやり方

 1 カットアウェイハンドルを見る
 2 カットアウェイハンドルを両手で握る
 3 リザーブリップコードハンドルを見る
 4 リザーブリップコードハンドルから目を離さずに、カットアウェイハンドルを一気に引き抜く(ハンドルは捨てる)
 5 リザーブリップコードハンドルを両手で握る
 6 リザーブリップコードハンドルを一気に引き切る。ハンドルは捨てない!

パラシュートを開いた際、カットアウェイハンドルやリザーブリップコードハンドルの位置は、地上でギアを付けているときと全然違う位置に感じます。
しっかりと目で見て、確実に握ってください。

カットアウェイハンドルもリザーブリップコードハンドルも、思っている以上に固いです。
両手で一気に引き切らないと、中途半端に引き切れずにブライダルコードが絡まったりでもしたらもう終わりです。
しっかり両手で、一気に引き抜いてください。

カットアウェイハンドルは通常布製です。緊急事態です。引き抜いたら捨てます。
一方で、リザーブリップコードハンドルは金属です。絶対に捨てないように気をつけてください。落として地上の人や物件にでも当たったら、そちらで大事故に繋がりかねません。


カットアウェイできなかったらどうしますか? できなかったなんて言ってる場合ではありません。 直ぐにもう一度カットを試みてください。

カットアウェイを行う高度

カットアウェイを行うには決まった高度などありません。
トラブルがあれば安全のためにカットします。
とはいえ、低高度でのカットは非常に危険を伴います。
リザーブが開き切り、降下率が十分に低下できるほどの高度がないと、自由降下で地面に到達しかねません。
危険を伴うことから、メーカーも団体も「○○ftまでに開けば大丈夫」なんてことは明示することはありません。

私としては、どれだけ低くても「1500ft以上」でカットを「完了」することを推奨します。
1500ftより高かろうが低かろうが、その高度で十分な降下率の減少を得られるかどうかは、計算や経験から自分で判断するしかありません。