とある飛空士への追憶
詳細 | |
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タイトル | とある飛空士への追憶 |
著、挿絵 | 犬村小六、森沢晴行 |
巻数 | 1巻(完結) |
レーベル | ガガガ文庫 |
あらすじ | 「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」 神聖レヴァーム皇国の傭兵飛空士狩乃シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑った。 未来の皇妃ファナ・デル・モラルを、流民上がりのベスタドである自分が本国まで送り届ける!? 圧倒的攻撃力の敵国戦闘機「真電」が、シャルルたちの搭乗する複座式水上偵察機「サンタ・クルス」に襲いかかる! はたして、ふたりは無事本国まで辿り着けるのか? そして、飛行中に芽生えたシャルルとファナの恋の行方は――!? 美姫を守って12,000キロ。蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。 |
感想 |
皇太子の婚約者を極秘で輸送する任務を受けた飛空士と、その美しい婚約者の旅のひと時の恋物語です。 敵の航空優勢下を2人きりで飛行する脱出劇で、吊り橋効果とも言うかもしれませんが、身分違いの恋と飛行機が主題のボーイミーツガール物語で、切なくも清々しい読後感が得られます。 当初、感情のないフィナが旅につれてシャルルへ心開いていくその様子は、2人の空気が甘酸っぱく、心を打ちます。 空戦描写は非常に詳しく描かれ、緊迫感が伝わります。 また、空戦描写もさながら情景描写が特に綺麗で、それも相まってラストシーンの表紙の特徴的な場面が胸を打ちます。 ファナが馬鹿皇子に嫁がなければならず、これからに前途多難を予感しつつも、その覚悟を決意して身分差からなる別れのシーンは切なくも美しく感じ、読了後に爽快感を感じます。 ベタといえばこの上なくベタな話ですが、王道はいつも面白いため王道なのだと再認識させてくれる面白さが感じられます。 |
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