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後方乱気流

 後方乱気流とは、航空機の運航に伴い引き起こされる航空機周辺の待機のじょう乱のことです。

後方乱気流の種類

1 ジェットブラスト(スラストストリーム)
  ジェットエンジンの高速な排気がこれにあたります。
  上空において遭遇するとエンジンへの空気の取り込みが上手くいかず、エンジン停止に繋がる可能性があります。
  たびたび、地上で車が横転したり、脚立が吹っ飛んだり、機材のドアが変形したりなどの事故が報告されています。
  TAXIする際や、エンジンチェックを行う際など、パワーを足すときには必ず念入りに「Back side clear」をチェックしましょう。

2 翼端渦(Wingtip vortices , Rotor vortices)
  翼の上下面の圧力差により生じる空気の渦。
  渦の生成時の強さは、航空機の重量に比例し、速度に反比例します。
  ・フラップが下がっている際には、フラップ端の生成する渦が翼端の生成する渦の一部を打ち消すため、同じ重量と速度ならフラップがUPのときの方が、フラップDOWNのときよりも翼端渦が強くなる。
  ・高度が高い(空気密度が小さい)方が渦が強く、高度が低い(空気密度が大きい)方が渦が弱い。

3 プロップウォッシュ(ダウンウォッシュ)
  ・プロペラの回転により生じる、プロペラ面後方の高圧力空気のこと。
  ホバリング中のヘリコプターの周辺は、最低でもローター直径の3倍より大きく距離を確保しなければ、TAXIすべきでない。


後方乱気流による管制間隔について

 後方乱気流の影響を考慮した上で安全な運航を確保するために、主に航空機の重量を基準に「先行機の生成する後方乱気流の強さ」と「後方機の許容可能な渦の強さ」を組み合わせ、区分(Category)ごと最低間隔を設定しています。
 また、長年運用されてきた後方乱気流区分(Category)による分類ですが、近年の航空機運航量増加により、より多くの航空機を運航させるためにもっと細かく分類しなおす区分の再設定(RE-CATEGORIZATION)が進んでおり、2020年末現在、日本では東京進入管制区内にて後方乱気流グループ(Group)が運用され始めている。

後方乱気流に対する航空機の分類



レーダー誘導有り 離着陸 管制間隔


レーダー誘導無し 着陸 管制間隔


レーダー誘導無し 離陸 管制間隔


注意!

ここに上げているのは一部のみで、このほかに「交差滑走路の場合」「離陸滑走開始点が先行機より前方の時」「後続出発機のローテーションが先行到着機の接地点より手前の時」等々の管制間隔もあるので、必ず「管制方式基準」や「AIP」を参照すること!


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