ハイドロプレーニング
ハイドロプレーニング現象とは、運動するタイヤの摩擦係数が急激に低下する現象のことを言います。ハイドロプレーニングの種類
1 ダイナミックハイドロプレーニング水の慣性効果により、動水圧が発生し、タイヤが浮き上がる現象
滑走路面に0.1inch以上の水たまりがある際に発生しやすいと言われている。
2 ビスカスハイドロプレーニング
水の粘性効果や、タイヤ跡、滑走路のマーキングの影響によるグリップの低下からなる現象
微量の水分でも発生しやすいどころか、水分が無くても起こる可能性がある。
3 リバーティッドハイドロプレーニング
摩擦熱により蒸気が発生し、その蒸気圧によりタイヤが浮き上がる現象
タイヤがロックしていると摩擦熱が低下しないので、びっくりしてないでブレーキを離ないと治らない。
ハイドロプレーニングの原因
1 タイヤの摩耗タイヤの溝が摩耗することでグリップが弱くなるとともに、排水性が下がる。
2 多量の水等
滑走路面に溜まる水の影響で滑りやすくなる
3 マーキング
滑走路のマーキングやタイヤ跡の上では摩擦係数が下がっているため、非常に滑りやすい。
4 タイヤの空気圧不足
タイヤの空気圧が低下することにより、タイヤの接地面積が大きくなり、単位面積当たりの接地圧が低下することで滑りやすくなる。
5 過大な速度超過
過大な圧力が瞬間的に加わることにより、水の粘性が高く、タイヤと路面の間に水が残り、滑りやすい。
ハイドロプレーニングの計算式
$P$ :タイヤ圧[psi]
ハイドロプレーニング現象が起きる速度
$V[kt]=9 \sqrt{P}$
一度ハイドロプレーニング現象が起きた後、ハイドロプレーニング現象が解消する速度
$V[kt]=7.7 \sqrt{P}$
グルービング
水はけをよくして水膜を生じさせず、摩擦抵抗の低下などの危険性をできるだけ少なくするため、 滑走路の横断方向に溝を施工することがあり、この溝のことを「グルービング」と言います。ブレーキングアクション
滑走路の路面状況が凍結・積雪状態では、機体の制動状況が悪化ます。その際、パイロットが滑走路利用可否の判断材料とするのが「ブレーキングアクション」です。
ブレーキングアクションの呼称 | ブレーキングの内容 | 滑走路の状態 | 滑走路状態コード |
該当なし | 雪氷が存在しないか、存在しないのと同等 | DRY | 6 |
Good | 制動力に対し、減速と方向性制御が正常 | WET 等 | 5 |
GOOD to MEDIUM | 減速または方向性制御が GOOD から MEDIUM | 外気温―15℃以下のCOMPACTED SNOW | 4 |
MEDIUM | 制動力に対し、減速または方向性制御が顕著に減少している | 外気温―15℃超のCOMPACTED SNOW, 3mmを超える積雪 等 |
3 |
MEDIUM to POOR | 減速または方向性制御が MEDIUM から POOR | 3mmを超えるSLUSH | 2 |
POOR | 制動力に対し、減速または方向性制御が著しく減少している | ICE | 1 |
LESS than POOR | 制動力に対し、減速が最小か存在しない、または方向性制御が不安定 | WET ICE 等 | 0 |
滑走路状態コードは、滑走路を「3等分」に分割し、積雪の種類や深さ、割合、外気温などによって
「0」~「6」の「7段階」で通報されます。
例)RWY01 surface condition code 5-5-3, at 0300Z