航空機とは
飛行機と航空機の違いはわかりますか?

「航空機」とは
人が乗つて航空の用に供することができる
① 飛行機
② ヘリコプター
③ グライダー
④ 飛行船
⑤ その他政令で定める機器
とされています
つまり、飛行機と航空機の関係は「(飛行機)⊂(航空機)」です。
なお、「その他政令で定める機器」については、その政令の条文が存在しないため、何も定められていません。
また、「人が乗つて航空の用に供することができる」という文章は①~④にかかっているのみで⑤にはかかっておらず、もしも「その他政令で定める機器」が定められる際には人が乗るかどうかは限定されないものと考えられます。
気球やドローンなどは航空法では定義から外れるので「航空機」には含まれません。

ちなみにこれは航空法における定義です。
「航空機製造事業法」という法律の中では、
「航空機」とは
人が乗つて航空の用に供することができる
① 飛行機
② ヘリコプター
③ グライダー
④ 飛行船
⑤ その他政令で定める機械器具
とされており、
こちらの「その他政令で定める機械器具」については、航空機製造事業法施行令第一条で、
飛行機及び回転翼航空機であつて
構造上人が乗ることができないもののうち、
総重量が 150 kg 以上 のもの
とされていたりもします。
航空法に戻って、ドローンについては「航空機」には含まれませんが「無人航空機」という名称で定義(航空法第2条22項)されています。
航空法施行規則第5条の2によって、重量が100g以上のものが「無人航空機」、100g未満のものは「模型航空機」として扱われます
ややこしいことに、
小型無人機等飛行禁止法(重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律)においては、
「小型無人機」は、航空法の「無人航空機」と異なって重量の除外規定がないため、100g未満のものも対象となっています。
また、「小型無人機『等』」の「等」は、「特定航空用機器」として
小型無人機等飛行禁止法施行規則2条により、
① 気球
② ハンググライダー
③ パラグライダー
④ 回転翼の回転により(中略)人が飛行することができるもの
⑤ 下方へ噴出する気体の圧力の反作用により(中略)人が飛行することができるもの
とされています。
「小型無人機等」の『等』に「人が飛行することができるもの」が含まれるとか、あまりにもわかりにくすぎるので何とかならないものなのでしょうか。
私のようにひねくれているものが見ると、「では液体の水圧を利用して飛ぶフライボードは問題ないですね」とか「パラシュートは問題ないのですね」って思いますよね。
航空法に戻り、
さらにさらにややこしいことに、「操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機」は、
「無操縦者航空機」と言われます(航空法第87条)
海上保安庁のシーガーディアンなどはこの「無操縦者航空機」にあたるようです。
航空法の「航空機」の定義は「人が乗つて航空の用に供することができる飛行機~」でしたが、どう見ても「人が乗つて航空の用に供することができる飛行機」には見えないのですけど、どういうくくりなんでしょうか。
お腹に籠でもつければ人も乗れるということでしょうか?
シーガーディアンが「人が乗って航空の用に供することができる能力を有する」と考えている役人は、ぜひシーガーディアンに乗って航空の用に供してみてほしいと思うのは私だけでしょうか。
私としては、どう考えても、航空機製造事業法と航空法をごっちゃに考えているように思えてなりません。
航空機製造事業法と違って、航空法第2条の航空機の定義の5番目「その他政令で定める機器」については、その政令の条文が存在しないため、何も定められていません。
「人が乗ることができない150㎏以上の飛行機」を製造するには経産大臣の製造許可がいるのに、国内法の及ばない海外で作られて既に存在している「人が乗ることができない150㎏以上の飛行機」を運用したい際にむりやり「無操縦者航空機」に当て嵌めてはいないでしょうか?
正直私もよくわからないので詳しい人はぜひ教えてください。
というか、なんで「航空機」の定義に「人が乗るか乗らないか」の話を入れる必要があるんですかね。
個人的には人が乗るか乗らないかなんて「航空機」の定義から外すよう法改正した方が良いだろうと思っています。
ちなみにここまでの話は日本の中でだけ通用するお話です。
ICAOにおいては、「航空機(Aircraft.)」は「大気中における支持力を、地球の表面に対する空気の反作用以外の空気の反作用から得ることができる一切の機器」とされています。
(ICAO Annex1 , definitions , Aircraft. : Any machine that can derive support in the atmosphere from the reactions of the air other than the reactions of the air against the earth's surface.)
ICAOでは人が乗るか乗らないか、定義に関係ありませんね。
気球は、暖められた空気の密度変化による「浮力」によって飛んでいるのであり、「空気の反作用」を得ているわけではないと私は思うのですが、どうもICAOではこの「the reactions of the air」という文言は「空気を介して支持力を得る」というような大枠の意味合いを意図している模様で、「気球」も「航空機」に含まれています。
ICAO Annex 7 では航空機の定義とともに「Balloon」の定義が記されており、「A non-power-driven lighter-than-air aircraft.」とされています。
また、アメリカにおいては、「航空機」は「空中の飛行のために使用され、または使用されることを意図された装置(14 CFR §1.1 Aircraft means a device that is used or intended to be used for flight in the air.)」とされています。
アメリカでも人が乗るか乗らないか、定義に関係なさそうですね。
アメリカの法律には詳しくないのですが、アメリカでも当然のように気球は航空機に含まれるようです。
ICAOの航空機の定義に出てくる「地球の表面に対する空気の反作用」を使用する機器とは「ホバークラフト」を想定した文言です。
では、日本の航空法ではホバークラフトは航空機に含まれるでしょうか。
定義の中でいえば少なくとも「回転翼航空機」ではないことは明らかでしょうか。
気持ち的には違いますが、定義がないので微妙に「飛行機」「滑空機」「飛行船」という言葉に当て嵌めようと思えば当て嵌めれなくもないような気がしないでもありません。。。
航空法とは関係ありませんが、 航空機燃料税法の法解釈 においては「ホバークラフト(エアークツシヨン艇)および水中翼船は、航空の用に供するものではないから、航空機には該当しない。」として扱われています。
この文はあくまで国税庁が航空機燃料税法の法解釈をする上での文言ではありますが、同様に解釈しても問題ないでしょう。
航空法上で考えてもやはり「航空の用に供」してはいないと思いますので、やっぱり航空機ではないと判断できるのではないかと思います。
どちらかと言えば「航海の用に供」しているので、やはり船舶法や商法の点からもホバークラフトは船舶とみてよいでしょう。
一方で、水上航空機は明らかに航空機ですが、海上で船舶と衝突することを防ぐ必要があるため、海上衝突予防法では「船舶」に含まれます(海上衝突予防法第3条第1項)。
では、水上航空機を運用するには船舶免許が必要になるのでしょうか??
20tを超えたら小型船舶操縦士免許ではなく海技士免状まで必要になるでしょうか??
もし必要ないなら、体験TAXI(と言っていいのかわかりませんが海上を遊覧航行)するような場合にも本当に必要ないのでしょうか??
正直私もわからないので、詳しい方がいたらぜひ教えていただきたいです。
● 航空機の種類(用途別)
一般的にヒコーキって聞くと「ジャンボジェット」とか「セスナ」とか「戦闘機」とか、知ってるのはそれくらいだという人が世の中大多数だと思います。全然それで問題ありませんが、せっかくここを見ていただいているのであれば、細かく分類を知ってもらいたいです。
ここでは、様々な分類の仕方を紹介します。
〇 エンジンの数による分類
1 単発機 エンジンを1つのみ搭載する航空機
2 双発機 エンジンを2つ搭載する航空機
3 多発機 エンジン2つ以上搭載する航空機
〇 動力源による分類
1 レシプロ機 ピストンエンジンを搭載する航空機。
2 タービン機 タービンエンジンを搭載する航空機。
3 プロペラ機 プロペラ推進による航空機。
レシプロ機も含むが、タービンエンジンによりプロペラを回転させる航空機も含む。
3 ジェット機 ジェットエンジンによる排気の反作用を動力とする航空機
4 電動機 電気による動力をもとに推進する航空機
5 人力飛行機 人間の筋力のみを動力源とし飛行する飛行機
〇 離着陸の場所による分類
1 陸上機 陸上で離着陸する航空機
2 水上機 水上で離着水する航空機
3 水陸両用機 どっちもできる航空機
〇 タイヤの取り付け位置よる分類
1 前輪機 タイヤの取り付けが△の形の航空機
2 尾輪機 タイヤの取り付けが▽の形の航空機
〇 翼の数による分類
1 単葉機 翼が1枚の航空機
2 複葉機 翼が上下に2枚の航空機
3 三葉機 翼が上下に3枚の航空機
4 多葉機 翼が上下に2枚以上の航空機
5 串型機・タンデム機 翼が前後に2枚以上の航空機
〇 飛行速度による分類
1 低速機 相対的に低速で飛行する航空機
2 高速機 相対的に高速で飛行する航空機
3 遷音速機 マッハ数0.8~1.2の範囲を飛ぶ航空機
4 超音速機 マッハ数1.2以上の範囲を飛ぶ航空機
5 極超音速機 マッハ数5.0以上の範囲を飛ぶ航空機
〇 空気との重さの比較による分類
1 軽航空機 空気密度より密度の小さい航空機(飛行船など)
2 重航空機 空気密度より密度の大きい航空機
〇 所属による分類
「国の航空機」 軍、税関、警察の業務に用いる航空機
「民間航空機」 国の航空機以外の航空機
「軍用機」 国の軍事的活動のために国の機関が使用する航空機。
「民間機」 私用や商用の目的で運航される非軍事的な航空機。
非軍事的な活動であれば公的機関(警察、税関)が使用する航空機も含むことがある。
〇 所属による分類2
1 事業機 航空運送事業または航空機使用事業の用に供する航空機として事業計画に記載された航空機。
2 自家用機 私人または団体等が有する事業機ではない航空機
3 自衛隊機 自衛隊に所属する航空機
4 米軍機 米軍に所属する航空機
〇 使用目的としての分類
1 戦闘機
主に空対空の戦闘、格闘を行う航空機
2 攻撃機
主に対地、対水の攻撃をして地対地、地対艦等の戦闘の支援をする航空機
3 爆撃機
対地、対水に爆弾等を投下することが主目的の航空機。
攻撃機との違いは主として搭載できる爆弾の量や戦術規模・戦略規模の違いなどによる。
4 輸送機
人員や物資の輸送を行う航空機。商用として運用するものを「旅客機」「貨物機」ともいう。
5 電子戦機
電波情報の収集や、電波妨害を行う航空機
5 早期警戒・警戒管制機
機上レーダーにより上空にて航空機の発見や管制を行う航空機
6 偵察機・哨戒機
対地、対水として情報の収集・監視を行う航空機
7 空中給油機
文字通り。空中のガソリンスタンド
8 実験機・研究機
実験・研究を目的とした航空機
9 点検機
機材などの点検を行う航空機
10 練習機
他の航空機に搭乗するための訓練を行う航空機
11 遊覧機
遊覧飛行をするための航空機
12 郵便機
郵便飛行をするための航空機
13 測量機
測量飛行をするための航空機
14 政府専用機
国賓等を輸送する国の航空機
・・・・薬剤散布機や宣伝機などなど、目的があればいくらでも言うことができる。
参考 各国の「航空機」の定義
ICAO"ICAO Annex1 , definitions , Aircraft. : Any machine that can derive support in the atmosphere from the reactions of the air other than the reactions of the air against the earth's surface."
「航空機とは、大気中における支持力を、地球の表面に対する空気の反作用以外の空気の反作用から得ることができる一切の機器」
米国
"14 CFR §1.1 Aircraft means a device that is used or intended to be used for flight in the air."
「航空機とは、空中の飛行のために使用され、または使用されることを意図された装置」
フランス
Article L6100-1 (Code des transports) Constitue un aéronef tout appareil capable de s'élever ou de circuler dans les airs."
フランス交通法典第L6100-1条
「航空機とは、空中へ上昇し、または空中を移動(巡航)することができるあらゆる機器」
ロシア
Air Code of the Russian Federation / Воздушный кодекс Российской Федерации 1章3条
「航空機とは、地面または水面から反射した空気との相互作用以外の、空気との相互作用によって大気中を維持し、貨物または乗客を運ぶ能力を持って空間を移動することができる装置」
中国
法には航空機の定義は存在しない
中国の民用航空規則(CCAR)では、ICAOの条文を中国語訳したものが使用されている。
イタリア
Codice della Navigazione Art. 743
「航空機とは、人または物の空中輸送を目的としたあらゆる機械を指す。遠隔操縦航空機も、特別法、ENAC規則、および軍用機については国防省の政令で定義される航空機とみなされる。」
ドイツ
Luftverkehrsgesetz § 1 Abs. 2
「航空機」とは、以下のものを指す。
①飛行機 (Flugzeuge)
②回転翼航空機 (Drehflügler)
③飛行船 (Luftschiffe)
④滑空機 (Segelflugzeuge)
⑤モータグライダー (Motorsegler)
⑥自由気球及び係留気球(Frei- und Fesselballone)
⑦-削除-
⑧緊急用パラシュート (Rettungsfallschirme)
⑨飛行模型 (Flugmodelle)
⑩エアスポーツ用品 (Luftsportgeräte)
⑪その他、地上または水面から30メートルを以上の高さで運用される、空域利用を目的とする機器 (sonstige...)
宇宙船、ロケット、その他類似の飛行物体は、空域内にある限り航空機とみなされる。
スポーツやレクリエーション目的で運用されていない無人航空機(無人航空機システム)とその管制ステーションも、航空機とみなす。